参政党は、高市早苗首相について、どう考えているのか?共通点と違いの両面を考える。

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参政党が高市早苗氏をどう見ているのか、共通点と違いの観点から整理し、支持層・批判側の声も交えて考えてみます。なお、参政党・高市氏双方とも明確に「○○を高市氏がこう評価している/こう批判している」という発言を多数公開しているわけではないため、報道・会談記録・支持者の動きから“読み取れる”範囲で整理します。
高市早苗氏とは
まず、高市早苗氏の基本的な立ち位置を押さえておきましょう。
- 自由民主党所属の衆議院議員。保守系・国家観を強く打ち出す政治家として知られています。
- 憲法改正、国家防衛の強化、伝統・文化・家族観を重視する姿勢を明言しています。
- 2025年10月に、自民党総裁に就任し、首相指名選挙を控えている政治局面にあります。
このように、高市氏は「保守・国家重視」「伝統文化重視」「既存の制度や枠組みに対して改革というよりも国家・主権を強める」姿勢が強い政治家であると言えます。
参政党の立ち位置・主張
次に、参政党がどういう政党かを整理します。
- 参政党は「日本人ファースト」「反グローバリズム」「地域・国家・個人の自律」を訴える新興政党です。
- 具体には、多国籍企業・外資・グローバル制度が国家・地域・個人の主体性を奪ってきたという視点を持ち、「国内をまず立て直す」「日本の主権を守る」という主張をしています。
- 支持者層としては、既存政党・グローバル化の波に対して疑問を持つ人たちの受け皿として機能しつつあります。
このような立ち位置から、参政党は「既存政党の枠」「多国籍・グローバルな制度の枠」に対して懐疑・あるいは批判的です。
共通点:参政党と高市氏が重なる部分
両者を比較すると、確かに重なる部分も少なからず見えます。以下、主な共通点です。
- 保守・国家観の強さ
高市氏は国家主権・伝統文化・家族観を強く主張しています。参政党もまた、国・地域・個人の自律を強調し、日本人・地域の主体性を守ろうという主張を持っています。
→ この点では、参政党が評価しうる方向性があると言えます。 - グローバル制度・外部圧力への疑問
高市氏は、外国からの影響・グローバルな制度に対して慎重な姿勢を見せることがあります。たとえば、防衛・経済安全保障など「国家が強くなる」方向を打ち出しています。
参政党が「グローバル資本・多国籍制度が国家を弱めてきた」と訴えてきた文脈と、この高市氏の方向性は、少なくとも表面的には重なります。 - 既存政党や制度への批判意識
参政党の支持層には「既存政党や制度が国民・地域を置き去りにしてきた」という感覚があります。高市氏も、自民党内で“改革を旗印に”“保守を原点に”と語っており、既存の政治体制を批判的に捉える側面があります。
→ この意味で、参政党支持者から「共感できる候補/政党」として見られる可能性があります。
違い:参政党と高市氏の立ち位置・方向性のズレ
しかし、両者には重要な違いもあります。実際、参政党が高市氏を全面的に支持しているわけではなく、慎重な姿勢・選別を含んでいます。以下、違いを整理します。
- 制度・政党の枠内での活動 vs 枠外・代替志向
高市氏は自民党という既存大政党の中で活動し、既存制度・枠組みを活用してきた政治家です。
一方、参政党は「既存政党や制度そのものに疑問を持つ」立ち位置にあります。つまり「枠外から変えよう」というスタンスが強いため、既存政党に所属している高市氏には“既存体制を維持・利用する政治家”という見方をする支持層もあります。 - グローバル協力/国家単独志向の差
参政党は「国際機関・多国籍企業・グローバル制度に頼らない」「日本・地域が主体」という強い傾向があります。
一方で、高市氏は国際安全保障・経済外交をはじめグローバルとの関係性を無視していません。国家強化の文脈であれ、アメリカなどとの同盟・国際枠組みを重視する発言もあります。
→ 参政党支持者の中には「海外との関係を前提としすぎている」「グローバルな制度を受け入れてしまっている」と物足りなさを感じる声もあります。 - 地域・中小・草の根優先 vs 政府主導・国家重視の視点
参政党の主張には「地域・中小企業・国民一人一人の暮らしを守る」「地域共同体を再生する」といったキーワードがしばしば出ます。
一方、高市氏の政策・発言には「国家・国防・成長戦略」という大きな枠組みが多く登場し、地域・中小・草の根というスケール感に比べるとやや上位の構図です。参政党支持者にはこの差を「トップダウンすぎる」「現場感・地域感が希薄だ」という印象を抱く人もいます。 - 選挙的・制度的リアリズム vs 理想・代替モデル志向
高市氏は大政党の総裁・首相候補として選挙・政党内のリアリズム・制度内ロジックを持っています。
参政党は制度の外からのアプローチ・新しいモデルを提示しようという志向が強いため、制度の中で活躍する高市氏に対して「変えたいならもっと大胆に」「制度ごと壊すぐらいの意志がほしい」という声も出ています。
みんなの声:支持層・懐疑層からの反応
実際に、ネット・メディア・支持層のSNS等では以下のような声が散見されます。参政党支持者・一般有権者・批判者という三者の視点で整理します。
賛同・期待の声
「高市さんの国家観・伝統を重んじる姿勢は、参政党が言ってきた“国・地域・個人”を守るという理念に近いと思う」
「既存政党の枠を使ってここまで言ってくれているから、参政党にとっても協力対象になり得る政権だと感じる」
高市氏が保守・国家強化・伝統重視という軸を打ち立てている点に対して、参政党支持層の中には「共感できる」という声があります。
懐疑・指摘の声
「でも、やはり自民党内部での動きが多く、参政党の言うような“制度を変える/外部の力に頼らない”という方向には十分に見えない」
「国際・外交・安全保障の枠に重きを置いているので、地域・中小・暮らしレベルでは参政党が求める“地域再生”とは少しズレがある」
「参政党ならもっと制度そのものを問い直す発言がほしい。高市さんは制度内改革の範囲に収まっていると感じる」
このような声は、参政党支持者が「理想とする方向」と、高市氏の現実的な政治枠組みとのギャップを認識していることを示しています。
私見:どう捉えるか
私自身の整理として、参政党が高市早苗氏をどう考えているかという問いには次のように応えたいと思います。
- まず、参政党が「良いな」と思える要素は確かに高市氏にあります。保守・国家観、伝統文化重視という土台、そして既存政党に対する「ただ従うのではない」という姿勢は評価できる。
- ただし、参政党が掲げる“グローバル制度からの自律”“地域・中小・個人の力を回復する”“制度そのものを変える”という志向からすると、高市氏はその方向では「中間的な位置」にあります。つまり、「既存政党内部から制度を変える」という立ち位置であり、参政党が望む“サラキュレート”な変革のスピード・構造・スケールとは若干異なる。
- したがって、参政党にとって高市氏は「協力できる可能性のある政権候補」ではありますが、「全面的に任せられる/理想の実現者」としてはまだ“距離”があるというのが現状だと思われます。
- 仮に参政党が政権に影響力を持つ場面を考えるなら、次のような視点がキーになるでしょう。
- 高市政権が「地域・中小・地方の再生」という観点で、参政党が重視する“地域からの自律”をどの程度打ち出すか。
- グローバル制度・国際機構・多国籍企業との関係性を、参政党が懸念してきた「国家・国民より先行する力」という視点からどれだけ抑え・制御できるか。
- 制度改革・政党構造・既存の制度による既得権益という枠組みに、どれだけ踏み込むか。参政党支持者が“既存制度そのものを問い直す”ことを望んでいる以上、高市氏がその期待にどれだけ応えられるかが注目です。
結びに
「参政党は高市早苗氏についてどう考えているか? 共通点と違いの両面から考える」――その整理をしてきました。
参政党と高市氏の間には、理念・方向性に重なる部分が確かにありますが、違いもまた明確です。政治という現場では「理念だけで動けるわけではない」「制度・党内・国際構造が大きく関わる」という現実があり、参政党支持者の眼差しには“もっと先”を求める期待もまたあります。
もし今後、高市氏が政権を担うことになれば、参政党は「協力・支持」というよりも「チェック機能・代替構想を持つ勢力」として動く可能性が高いと私は考えます。私たち有権者としても、「誰が政権を担うか」だけでなく、「その政権体系の中で地域・中小・国民の暮らしをどう守るか」「国際制度・グローバル資本とどう折り合いをつけるか」という問いを忘れてはいけません。


