国民年金は60歳・65歳・70歳どれが得？あなたの“もとが取れる年齢”を公開

1975年生まれの方が20歳から国民年金保険料を納付し、65歳から年金を受け取る場合、何年で元が取れるのか。（概算）

また、60歳から繰り上げ受給、70歳から繰り下げ受給した場合の損益分岐点について、最新の情報を基に詳しく解説します。

国民年金の基本情報

日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入し、保険料を納付する義務があります。

• 保険料納付期間：20歳から60歳までの40年間（480カ月）
• 2025年度の保険料：月額17,510円
• 2025年度の老齢基礎年金（満額）：月額69,308円（年額831,696円）

65歳から受給した場合の損益分岐点

40年間保険料を納付した場合の総支払額と、65歳から年金を受給した場合の元が取れる年数を試算します。

• 総支払額：17,510円 × 12カ月 × 40年 = 約8,404,800円
• 年金受給額：831,696円/年
• 損益分岐点：8,404,800円 ÷ 831,696円 ≈ 約10.1年

つまり、65歳から受給を開始した場合、約75歳で元が取れる計算になります。

60歳から繰り上げ受給した場合

年金は60歳から繰り上げて受給することも可能ですが、受給額は減額されます。

• 減額率：1カ月あたり0.4％、最大24％（60歳から受給の場合）
• 年金受給額：831,696円 × (1 - 0.24) = 約631,689円/年
• 損益分岐点：8,404,800円 ÷ 631,689円 ≈ 約13.3年
• 元が取れる年齢：60歳 + 13.3年 ≈ 約73.3歳

60歳から受給を開始した場合、約73歳4カ月で元が取れる計算になります。

70歳から繰り下げ受給した場合

年金の受給開始を70歳まで繰り下げると、受給額は増額されます。

• 増額率：1カ月あたり0.7％、5年で42％増
• 年金受給額：831,696円 × (1 + 0.42) = 約1,180,008円/年
• 損益分岐点：8,404,800円 ÷ 1,180,008円 ≈ 約7.1年
• 元が取れる年齢：70歳 + 7.1年 ≈ 約77.1歳

70歳から受給を開始した場合、約77歳1カ月で元が取れる計算になります。

まとめ

受給開始年齢	年金受給額（年額）	元が取れる年齢
60歳	約631,689円	約73歳4カ月
65歳	831,696円	約75歳
70歳	約1,180,008円	約77歳1カ月

繰り上げ受給は早く元が取れるように見えますが、受給額が減るため、長生きするほど損になります。

一方、繰り下げ受給は受給開始が遅れるものの、受給額が増えるため、長生きするほど得になります。

自身の健康状態やライフプランを考慮して、最適な受給開始時期を選択することが重要です。