教師を目指す人が減っている理由｜令和の時代に「憧れの職業」ではなくなったのはなぜか？
ノジオ２
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かつて「先生になりたい」と言えば、親も周囲も喜んでくれた時代がありました。
「人の役に立つ」「子どもが好き」「安定した仕事」——そんな理由で、多くの大学生が教育学部に進みました。
しかし、令和の今。
教師は“憧れの職業”どころか、“最もきつい仕事のひとつ”といわれる時代に入っています。
なぜここまで変わってしまったのでしょうか。現場の実態や、今の大学生の声からその背景を探っていきます。
教師志望者が激減している現状
文部科学省の調査によると、教員採用試験の倍率はこの20年で大幅に低下しています。
かつては小学校教員で10倍以上あった地域もありましたが、最近では2倍を下回る自治体も多いのです。
特に都市部では、志望者数そのものが減少。大学の教育学部でも「教師にならずに一般企業に就職する」学生が目立っています。
ある教育学部の4年生（女子）はこう話します。
「子どもと関わるのは好きだけど、先生になるのは怖い。ニュースで『ブラック職場』『メンタルで休職』って聞くと、自分も続けられない気がして…。」
「やりがい」より「過労」—現場の厳しすぎる現実
文科省の統計では、教員の約6割が過労死ライン（月80時間超の残業）に達しているといわれています。
部活動、保護者対応、書類、会議、ICT管理、いじめ対応…。
授業以外の仕事が増え続け、時間外労働は日常化しています。
現役教員の声を聞いてみましょう。
「子どもと向き合う時間より、書類とパソコンに向かう時間の方が長い。
家に帰っても、明日のプリント作りや報告書。休みはほとんどなし。」（30代・中学教員）
「やりがいはあるけど、体がもたない。
同僚がうつ病で休職するたびに、“次は自分かも”と不安になる。」（40代・小学校教員）
こうした「疲弊する現場」は、SNSでも日々発信されています。
X（旧Twitter）では「#教師の働き方」「#教員を辞めたい」などのハッシュタグで、
現役教師の悲鳴がリアルタイムで拡散されています。
「モンスターペアレント」問題と社会の変化
昔の教師は、ある意味「地域の権威」でした。
しかし今は、保護者や地域住民との関係性が変わっています。
一部の保護者が過剰に学校へクレームを入れ、
その対応に追われる教師が増えています。
「授業中に注意しただけで“うちの子に謝ってください”と電話が来る。
教師が悪者になる構図がつらい。」（20代・新任教員）
社会全体で「サービス業化」が進み、
教師も「教育サービスの提供者」として見られるようになりました。
この構造的な変化が、現場のストレスを一層増やしているのです。
大学生の本音：「教師になりたいけど、幸せになりたい」
今の大学生たちは、冷静に社会を見ています。
「安定しているから」ではなく、「自分が幸せに生きられるか」で職業を選ぶ傾向が強まっています。
SNS上の学生の声をいくつか紹介します。
「教育実習で、先生たちの疲れ切った顔を見て考え直した。」
「子どもは好き。でも“心をすり減らす仕事”にはなりたくない。」
「教員免許は取るけど、民間企業に行く予定。教育は好きだから、ボランティアで関わりたい。」
つまり「教育に関心はあるが、職業としての教師は厳しい」と考える若者が増えているのです。
教師が「再び憧れの職業」になるには
では、どうすれば教師が再び“憧れの職業”になれるのでしょうか。
専門家は、次の3つを挙げています。
- 業務の適正化：部活動の地域移行、書類業務の削減、AI支援の導入
- 精神的サポートの強化：カウンセリング体制の整備と職場のメンタルケア
- 社会の理解と協力：保護者や地域が「学校に任せすぎない」文化を育てる
特に、文科省が進めている「部活動の地域移行」は大きな一歩です。
教師が“教育”そのものに集中できる環境が整えば、
「教える楽しさ」を取り戻すことができるでしょう。
まとめ：教師という仕事は、社会の未来を映す鏡
教師の人気が落ちているということは、
「教育」という仕事そのものが、社会全体から余裕を失っていることの表れでもあります。
子どもたちを育てるには、まず大人の側に心の余裕が必要です。
教師が笑顔でいられる社会——それは、子どもも笑顔でいられる社会です。
「先生になりたい」という声が、再び多くの若者の口から自然に出るような時代を、
私たち大人が取り戻していく必要があるのかもしれません。
みんなの声（SNS・掲示板より）
- 「母が教師で、子どもながらに“しんどそう”と思ってた。自分はなりたくない。」
- 「先生の仕事って尊敬する。でも、自分がやるには勇気がいる。」
- 「部活や保護者対応を外部に任せるだけで、だいぶ変わると思う。」
