国防費が高い国のランキング!その国の事情、GDP に占める比率

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1.最新の国防費ランキング概要
まずは、世界的に「防衛費(軍事支出)が多い国はどこか?」をデータで押さえておきましょう。
- Stockholm International Peace Research Institute(SIPRI)によれば、2024年時点で世界の国防費総額は約2.718 兆ドルにのぼり、前年比で9.4%上昇しました。
- 上位5カ国で世界全体の約60%を占めています。
- 具体的なランキング(2024年)を概略すると:
- United States(約9,970億ドル)
- China(約3,140億ドル)
- Russia(約1,490億ドル)
- Germany(約885億ドル)
- India(約861億ドル)
- また、「防衛費が GDP に占める比率(=国の経済規模に対する防衛費の重さ)」で見ると、例えば Ukraine が34.0%と突出しています。
これらの数字から、「どの国が」「どのくらい」防衛にお金をかけているか、その“量”と“重さ”の両面が見えてきます。
2.順位トップの国々とその事情
では上位ランキングに挙がる国々の「なぜ防衛費が高いのか」を個別に見ていきましょう。ここでは特に上位3国+注目国をピックアップします。
(1)アメリカ合衆国(United States)
アメリカはぶっちぎりでトップです。約9,970億ドル、世界の防衛支出の37%を占めるとも言われています。
事情・背景:
- 世界各地に展開する軍事・同盟関係を維持するため、基地・物流・装備更新など多額の費用がかかります。
- 新技術(無人機、サイバー、宇宙防衛)への投資も盛んで、単なる兵站/人員費以上に支出が拡大しています。
- また、「米国の軍事力=国家プレゼンス/外交力」の一部という位置づけも強く、軍事支出が国家戦略の柱となっています。
課題・批判: - 多額の防衛費ゆえに「社会保障・教育・福祉」など他の分野に回せる予算が削られているという指摘があります。
「米国がこれほど軍事に投資するなら、生活保障にももっと回してほしい」
という声もネット上で散見されます。
- また、防衛費は経済規模では大きくても、GDP比率で見ると3〜4%程度と、他国に比べて突出して“重い”わけではないという見方もあります。
(2)中国(China)
中国も2位で、およそ3,140億ドルという巨額の防衛費です。
事情・背景:
- 経済成長を背景に、海洋進出・台湾有事・南シナ海をめぐる安全保障環境の変化が、軍事予算増加を促しています。
- また、国内の防衛生産能力を高め、自国技術で兵器を開発・装備する流れを強めています。
特徴: - GDP比率では約1.7%とそれほど高くなく、量的には大きいものの「経済規模に対して防衛にかける比率」が低めという指摘もあります。
声・反応:
「中国の防衛費が増えると、近隣国として不安を感じる」
というアジアの小国の声もあります。一方で、
「自国防衛力を整えるのは当然だ」
という国内向け論調も常に存在します。
(3)ロシア(Russia)
ロシアは3位で、2024年には約1,490億ドル。しかも GDP比率で7.1%とかなり重い比率です。
事情・背景:
- Ukraine 侵攻以降、戦費・兵站・装備更新などのコストが急増しています。米国・NATO諸国からの制裁を受けながらも、防衛予算を拡大しているのが現状です。
- また、ロシアは資源国であり、軍事大国としてのポジションを維持したいという国家戦略から、防衛費に重きを置いてきました。
リスク・影響: - GDP比率が高いため、他の社会インフラ(教育・医療・住宅など)に回す余力が圧迫される懸念があります。
- 国際社会からの制裁・経済摩擦とも連動して、防衛費の増加が国内経済を直撃する可能性も指摘されています。
(4)ドイツ(Germany)&インド(India)など
- ドイツ:約885億ドル(2024年)、GDP比 1.9%。
- インド:約861億ドル(2024年)、GDP比 2.3%。
これらの国も“量”では上位に入りますが、その事情はまた少し異なります。
ドイツの場合:EU・NATO内での防衛強化、ロシアの脅威認識の高まり、ウクライナ支援などが影響しています。
インドの場合:近隣(中国・パキスタン)との緊張関係、防衛産業の自立化(輸入から国内生産へ)などが背景にあります。
3.なぜ防衛費を「増やす/高くする」のか?
ランキングだけでは「なぜその国が防衛費を高くしているか」が見えづらいため、共通する要因を整理します。
・地政学的・安全保障環境の変化
紛争・対立・緊張が高い地域では、防衛費を増やす動きが明らかです。例えば、ウクライナでは戦争状態ゆえに防衛費が GDP の約34%という驚異的な水準に。
NATO加盟国でも、ロシアの影響を受けた東欧諸国が防衛費を急拡大しています。
・装備・技術更新/軍備近代化
新しい軍事技術(無人機、サイバー防衛、宇宙・ミサイル防衛など)への投資が増え、装備の老朽化更新コストもかさみます。
そのため、単純な「兵士を増やす」だけでなく、「質を上げる/装備を変える」ための支出増があるわけです。
・プレゼンス・抑止力としての軍事力
国家としての影響力(外交、安全保障、同盟)を維持・拡大するには、「強い軍/信頼できる防衛力」が重要視されます。特に大国・新興国ではこの傾向が強いですね。
・国内経済・産業政策との結びつき
防衛産業を育成することで、雇用・技術革新・輸出を狙う国もあります。たとえばインドでは「国産化・輸出拡大」を目指しています。
このように「防衛は社会・経済の一部」という位置づけがある国も少なくありません。
4.皆さんの声・意見から
防衛費の増加・高水準化には賛否両論があり、ネット上・報道等でも様々な声が上がっています。
「自国を守る力をつけるために防衛費が必要だ」
「でもその分、教育・医療・福祉が削られるのでは?」
「近隣国が軍拡すると、こちらも安心できないから防衛費増やさざるを得ない」
「国家として本当にその額が妥当なのか、透明性をもっと高めてほしい」
例えば、ある欧州の小国では「ラトビアが防衛費を GDP の4%に上げるべきだ」という政府発表がありました。
また、米国でも「これだけ軍事にお金をかけるなら、もっと国内の暮らしにも回してほしい」という意見が根強くあります。
ざっくり言えば、
- 安全保障を重視する立場:防衛費増を支持
- 社会投資・国民生活の充実を重視する立場:防衛費増に慎重
という二極構造が見えます。
5.私たち日本(あるいは日本を取り巻く国々)にとってのインプリケーション
日本も安全保障環境が大きく変化しています。例えば周辺地域・海洋・宇宙・サイバー空間でのリスクが増大しており、単に防衛費を「低く保てばよい」という時代ではなくなっています。
- 日本の防衛費も上位に入っており、2024年には約553億ドル。
- GDP比では 1〜2%台と、世界トップ国と比べると割合は小さいですが、国内事情を考えると「増やす/効率化する」議論が活発になっています。
私たちとして考えておきたいのは、単なる「金額」ではなく、
- 防衛費が国民生活・社会保障・教育・インフラとどうバランスをとるか
- 防衛支出が本当に「安全を担保する投資」になっているか(無駄・重複・非効率はないか)
- 防衛費増が外交・安全保障の環境にどう影響するか(抑止か、逆に緊張を高めるか)
ということです。
6.まとめ:高い防衛費ランキングから見えること
- 世界の防衛費は増え続けており、2024年には過去最大規模。
- 上位国(米中ロなど)は、絶対額でも突出、かつ安全保障環境・技術更新・同盟関係など複数の要因が複雑に絡んでいます。
- 「量(ドル額)」も重要ですが、「比率(GDP比・国予算比)」もまた、国がどれだけ防衛に重きを置いているかを示す指標です。たとえばウクライナの34%という数値は極端ですが、戦争中という特殊事情が背景にあります。
- 防衛費が高いこと自体が“良い”とも“悪い”とも一概には言えず、「なぜ」「どう使われているか」が肝心です。
- 日本としても、ただ他国の数字を眺めるだけでなく、自国の安全保障状況・社会インフラ・国民生活とのバランスを考えた議論が必要です。


