親が亡くなった後に届いた謎の請求書~支払義務は?詐欺?WEBサービスの見分け方

※ 本ページはプロモーションが含まれています。
親が亡くなった直後は、葬儀や相続手続き、心の整理など、やるべきことが山積みです。
そんな中、ふと届く1通の「請求書」。
それが、「〇〇サービス利用料として〇〇円お支払いください」といった内容だったとしたら……。
これは本当に支払う必要があるのか?あるいは詐欺なのか?
そもそも、親がどんなWEBサービスに加入していたのか、自分には全く分からない。
こうした混乱に直面するご遺族は少なくありません。
この記事では、「親が亡くなった後のWEBサービスの確認と請求対応」の現実的な整理方法を、実体験や専門知識も交えて丁寧に解説します。
相続放棄をしていなければ支払義務が生じる可能性あり
結論から申し上げると、親が契約していたWEBサービスからの請求については、相続人に支払義務が発生する場合があります。なぜなら、WEBサービスの契約も「債務(借金)」の一種であり、相続財産と一緒に引き継がれるからです。
ただし、次の条件で大きく状況が変わります。
- 相続放棄をしていれば、支払義務は一切発生しません。
- 相続を承認していれば、原則として債務(未払い料金など)も含めて承継することになります。
- しかし、本人の死亡によって契約が自動終了するサービスもあり、そこでは支払い義務が生じないケースも。
また、詐欺である可能性も考慮しなければなりません。
WEBサービスの契約は「見えない財産」
親の死後に浮かび上がる落とし穴
かつての財産は、不動産や現金、通帳など「見えるもの」ばかりでした。しかし、今はサブスクリプション(定期課金)サービスやクラウドサービス、有料会員制度など、「見えない契約」が非常に多くなっています。
例:
- Amazonプライム
- Netflix、Huluなどの動画配信
- クラウド保存(Dropbox、iCloudなど)
- 通信費(格安SIM、Wi-Fiプロバイダ)
- 有料メールやブログサービス(さくらインターネット、note有料プランなど)
- デジタル新聞・雑誌
こうしたWEBサービスは、クレジットカードから自動引き落としされていることが多く、明細を見ないと存在に気づけません。
【調べ方①】親のパソコンをチェックする
まずできるのは、親のパソコンやスマートフォンの確認です。
チェックすべきポイント:
- ブラウザのお気に入りや履歴
- メールアカウント(特にGmail、Yahooメールなど)
- インストール済アプリ
- クレジットカードの登録情報(どこかのサービスに記録されていないか)
- メモ帳・付箋・パスワード管理アプリ
とはいえ、セキュリティの問題やパスワード不明でログインできないことも多く、これだけでは不十分です。
【調べ方②】クレジットカード明細・銀行口座の取引履歴を確認する
WEBサービスの多くは、月額の引き落としが定期的に発生します。そのため、クレジットカードの明細書や銀行口座の取引履歴が手がかりになります。
ポイント:
- どこから定期的な引き落としがあるか?
- サービス名が不明でも、ネットで検索すると発行会社が判明することも
※クレジットカード会社に「契約者死亡の連絡」をすると、カードは止まり、それ以降の引き落としも基本的にはストップされます。
【注意】請求書は「本物」か?詐欺に注意
相続人が混乱していることを逆手にとって、「親の契約していた未払い金がある」と称する詐欺請求も実在します。
本物か詐欺かを見極めるチェックポイント:
チェック項目 | 内容 |
---|---|
差出人情報 | 運営会社名・電話番号・所在地の明記があるか?検索で実在するか? |
請求金額の妥当性 | 月額課金サービスで急に数万円の請求は不自然 |
支払方法 | コンビニ払い・電子マネーなどを指定されたら要注意 |
サービス名 | 検索して存在しないサービスは詐欺の可能性が高い |
電話での脅し | 裁判をちらつかせるような文言は典型的な詐欺手口 |
※不安な場合は、消費者センターや弁護士に相談するのが安心です。
【整理の仕方】現実的な対処法のステップ
- 請求書を無視せず、まず調べる
→ネット検索、発行元調査、親の所有物確認 - クレジットカード・銀行明細で未払いの定期課金を把握
→解約手続きや支払い停止の相談も視野に - 親のメールアカウントをチェックする
→サービス利用履歴や請求の通知が残っていることが多い - 見覚えのない請求は、必ず第三者の目で確認
→一人で判断せず、知人・消費者センター・専門家に相談 - 今後のために、自分のデジタル資産も整理を始める
→エンディングノートにID・パスワード・契約サービスを書いておくと◎
まとめ
「見えない契約」に対処する心構えを
親が亡くなったあと、思いもよらぬ請求が届いたとき、それは金額以上に「心の負担」となります。しかも、それが本物か詐欺か判断がつかないとなれば、なおさら混乱します。
けれど、方法さえ知っていれば冷静に対処することができます。
- パソコンやスマホから痕跡をたどる
- クレジットカードの履歴から真偽を見抜く
- 怪しい請求は、まず相談機関にチェックしてもらう
そして何より、自分自身の終活として、**「自分が加入しているWEBサービス一覧と解約方法をメモしておく」**ことが、未来の家族の助けになります。
大切な人が亡くなったあとに、デジタルの混乱で悲しみを増やさないよう、いまから少しずつ備えていきましょう。
チップで応援する
当サイトは、科学的な事実に基づいた快適な暮らしの実現を目指しています。
皆様からのご寄付は、サイト管理費、システム開発費、調査活動費などに使わせていただき、より安定した情報発信を目指します。(金額:任意)